

京都の暑い夏がはじまり、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
喫茶えぜこでの展覧会を終え、ほっと一息ついた私たち。
慌ただしい日々の中にもうるおいを!ということで、昨日はふたりで下鴨
神社のみたらし祭りに行って参りました。
みたらし祭りといえば、御手洗池の中に足をひたすことで無病息災を祈願
するという、下鴨神社の夏の風物詩。そのはじまりは平安時代の厄払いか
らだそう。土用の丑の日、老若男女が下鴨神社の御手洗池を裸足ですすむ
ことから、足つけ神事ともよばれています。
京都暮らしも今年で五年目の私たち。このたび初めて、足つけ神事に参加
しました。御池に足をつけたとたん、全身にひろがる爽やかさといったら!
それはそれは、とても気分がよく、心身ともに清められたようでした。
太陽の光で輝く水面から顔を上げれば、つきぬけるような青空と深い緑。
池に集まる人たちの明るい笑い声の中にまざる蝉の声も、冷たい足とは逆
に、手につたわる蝋燭のあたたかさも、からだの中に一度に流れこんでは
するりとぬけてゆく、なんとも不思議な感覚でした。
私のからだのあらゆる感受性が、あっというまにきれいになったような、
そんな感覚。

おじいちゃんやおばあちゃんに手をひかれて、パンツ一枚で水につかる小
さなこどもたちも多く見られ、そのはじけるような笑顔が、御池の水面を
いっそう輝かせているのでした。
今、みんなが抱える不安や哀しみを、こうしてきれいに流せたらいいのにと
思わずにはいられなかった休日の午後。
泳いだあとのような心地よい疲れは、なぜかとても懐かしい感じがしました。