2012年10月20日

指宿へ、いぶたまでどんぶらこ

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長い休暇に入ると、私たちは列車に乗って、旅に出ます。
今年の秋は、南九州へと向かいました。
はじめて訪れたときから、どこか懐かしく感じられ、土地の雰囲気が私に
よく合っていた九州。そして乗りたい列車が山ほどある九州。またいつか
訪れたいと思っていたので、あこがれの列車に再び乗車できるビッグチャ
ンス到来に、ドキドキを鎮めるのが大変なほどでした。

今回のルートは、鹿児島〜熊本間。
特急きりしま、指宿の玉手箱、指宿枕崎線、はやとの風、いざぶろう・
しんぺいを三日間に分けて、乗り継ぐ計画です。
旅のはじまりは加治木駅から特急きりしまに乗って鹿児島中央駅へ。

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昼食には鹿児島ラーメンを食べました。鹿児島ラーメンといえど種類はた
くさんあるようですが、白濁したスープがその基本だとか。
ここで気になったのが、ラーメンのお供に出される大根の甘酢漬け。
各テーブルにたっぷりの量で置いてあり、自由にとっていただきます。
もれなく私も食べたのですが、なんともさわやかで優しいお味。ラーメン
とも相性がよく、驚きの出会いでした。
鹿児島では、定番の組み合わせなのでしょうか。

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腹ごしらえの後はこの日一番楽しみにしていた指宿の玉手箱へ乗車します。
JR鹿児島中央駅から指宿駅間を結ぶ、通称いぶたま。
車体が白と黒に塗り分けられ、車内は海を眺めるカウンター席をはじめ、
遊び心のある内装で人気の列車です。

この列車、乗り込んだ瞬間にとびきり楽しい世界が広がっていました。
たった一時間の乗車では物足りないほど!私たちは錦江湾を望むカウンター
席に座ったのですが、車窓の素晴らしい景色に見とれつつ、車内のあちこち
に仕掛けられた面白いディスプレイに気もそぞろ。
こんなに素晴らしいアイディアで列車を作ったJR九州に感心してしまいます。
外国人のお客さんも多いのも、納得です。

花.jpg

到着した指宿駅ではアロハシャツを着た駅員さんにお出迎えされ、気恥ずか
しい気分に。指宿は南国の雰囲気漂う、海の町でした。
名物の砂風呂に入る時間はなく、サイクリング用の自転車を借りて指宿の町
をまわることにしました。

道のあちこちに生えている植物が、ふだん見慣れない不思議なものばかりで、
思わず自転車を止めて観察。椰子の木やブーゲンビリア、ハイビスカスが民
家の庭で元気いっぱいに育っていました。
帰りの電車の時間に合わせ、急ぎ足で戻ってきた私たちを見て、アロハのお
母さん方はなぜか大爆笑。「そんなに早く帰ってくるなら、私の家の自転車
をタダで貸してあげたのに!」と声をかけて頂き、思わず私も吹きだしてし
まいました。町の人の温かな思いやりが、またひとつ、私の指宿の思い出に。

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帰りは指宿枕崎線に乗って戻ります。
以前運行していた、なのはなDXとよく似た黄色い電車です。
指宿枕崎線はJR九州の最南端の路線で、鹿児島市内に出る地元の方が通勤や
通学に使う電車だそう。
私たちが乗った電車にも途中、多くの高校生が乗り合わせ、車内が一気に華
やぎました。部活帰りなのか、高校の名前が入ったTシャツや帽子が眩しくて、
スケッチをする私の目はきっと細くなっていたはず。

鹿児島中央駅に着いたのは、日も暮れ始めた頃でした。
夜はあのかわいい白熊に会いにいくのですが、その話はまたこんど。

Tae.
posted by matsuge at 16:41 | | 更新情報をチェックする

2012年10月19日

金木犀のはな

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ごぶさたしています。みなさまいかがお過ごしでしょうか。
日誌の更新がずっと滞っていて、ここをひらくとまさに浦島太郎状態。
その間も、アトリエまつげのふたりは日々、食べ、寝て、はたらき、
絵を描いて、電車に乗って、北へ南へと旅に出ていました。

気がつけばもう晩秋です。
私は金木犀の花の香りが大好きで、町にその甘い香りが漂うと、胸が
きゅっとしめつけられるような不思議な感覚になります。
心身ともにくたくたになるまで会社で働いていた頃、通勤途中でみつ
けた金木犀の花の小さな枝をペットボトルのふたに張った水に入れて、
デスクの隅に置き、作業をしていたことがありました。
殺伐とした空気が少しだけ和らぐようで、とても私は気に入っていた
のですが、慌ただしさに埋もれるように、誰かが私のデスクに投げた
資料の下で、すぐにくしゃりと押しつぶされてしまいました。
その花の姿が当時の情けない自分の姿と重なって、人知れず落ち込ん
だものです。
人に寄り添ってデザインをする、という強い理想を持っていたからで
しょうか。自分のしていることが、ほんの小さな花を愛でることさえ
許されない仕事なのかと思うと、とても悔しくて、こっそり非常階段
で泣きました。
今も秋になると胸がきゅっとなるのは、あの頃のつらい気持ちを思い
出すから、なのかもしれません。
京都で暮らすようになり、金木犀の香りが東京のそれより何倍も強い
ことに最初は驚きました。どこか野性的で、秋を濃縮したような複雑
な香り。京都の植物はとても強いのです。

Tae.
posted by matsuge at 17:25 | 日々 | 更新情報をチェックする
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